「欠陥住宅一一〇番」に寄せられた相談の中には、欠陥が構造部分にあるとわかっている建物の相談も少なくなかった。件数は、三回の総数で二七五件に上った。だが、そこまで自明しているケースはやはり少数派である。さらに、その大半は戸建住宅である。マンションの場合は建物の構造上、怪しいと思っても相談者自らが床下にもぐり込むことさえ不可能なのだから、当然と言えば当然だろう。また、欠陥現象を引き起こす原因究明のために「建物調査を実施したか?」という質問に対しては、「調査をした」という回答が一一五三件中、二九一件あった。
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しかし、詳しく聞けば、その五八パーセント(一六八件)はクレームを受けた張本人である「業者自身が行った調査」である。どのぐらい中立な診断結果が出たかは、疑問が残るところである。残念ながら、今日の日本の実状では、欠陥住宅は決して「暗に起こる」ものではない。テレビや雑誌で見るような「床下にもぐってみたら土台の柱が切断されていた」などという、目で見てはっきりわかる欠陥だけが欠陥住宅ではなく、マンションに代表されるように、問題が顕在化していない欠陥住宅も現実には多数存在する。阪神淡路大震災で発覚した被害はそのいい例だろう。地震が起こるまでは、その事実に気づかなかった。また、それをいちばん顕著に示しているのは、現実の家の寿命の短さである。